じめじめとうっとおしい梅雨が明け、憂鬱な期末テストが終わると生徒たちの気分もそぞろ、頭はとうに夏休みである。渡された結果に一喜一憂しながらも、上ってくる話題と言えばは夏休みの予定ばかり。すっかりと夏の景色になった外をぼんやりと眺める幸村は
「ゆーきちゃん!テストどうだった?」
「ぅ、わ!」
 突然後ろから大きな声とともに肩を叩かれ、幸村は思わず椅子から転げ落ちそうになった。それを慌てて支え、なんとか床に転がるのを阻止したのは声を掛けた本人、前田慶次だった。
「あれ、そんなに驚かせた?ごめんごめん、お詫びにこれあげるからさ!」
 まったく悪びれた様子のない顔で謝りつつ幸村を座らせ直しながら、ポケットを漁って出てきたのはソーダ味のキャンディ。
「…幸ちゃん、ではないでござる。飴はありがたくちょうだいしまするが」
 椅子に腰掛け直しながら、幸村は少し拗ねた顔で水色のセロファンに包まれたキャンディを受け取る。かさかさと乾いた音を立てながらそれを開いて口に放り込むと、少し懐かしい味としゅわと独特の感覚が広がった。


 〜中略〜

 政宗が律動する度に湯が音を立てて跳ね上がる。けれど幸村にはすでにそれが湯の音なのか、自分と政宗が繋がっている場所から上がっているのか判らないくらい、与えられる快楽に溺れていた。
 突き上げられるのと同時に前を弄られ、次々とやってくる波に声を抑えることも出来ずに、幸村の口からは声にならない音が立て続けに上がる。
 政宗の唇はもう触れてないところなどないくらいに口付けられ、ほんのりと紅にそまった幸村の身体にいくつもの痕を残していた。
「ぁ、ふ…また……き、ちゃ…」
「……もう、無理か…?」
 ぎゅうっとしがみついてくる幸村の腰を抱え耳元に注ぎ込むように囁くと、それすらすでに快感へと繋がってしまうのか背を震わせて何度も頷いた。